ろうそくとレム
レムは小さな声でささやきます。
「ゆっくりだよ。そうじゃないと、早くに消えてしまうからね」
「だから僕も、ゆっくり息を吸って、ゆっくり息を吐いているんだよ」
「君のためでもあるし、僕のためでもあるんだ」
「だって僕たちは同じものを吸って、同じものを吐きだしてる」
「だからね、君か僕が息を吸いすぎることは禁物なんだ」
「吸うことは同時に吐くことだからね。わかるでしょ?」
レムはうっとりした目で続けます。
「それにしても君は美しいね」
「僕にはない輝きを持ってる」
「僕には決して出せない輝きを」
「君は僕を照らしてくれているのに、僕は君に何をすることもできない」
「なんて不公平な世界なんだろう」
少しおしゃべりしすぎたかな。レムはそう思いました。
「でも最後にこれだけ言わせて」
レムは微笑みました。
「やっぱり、やっぱり僕はもっと生きたい」
「ふーー。」
【作者より】
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